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作家連載記事2017:いわもとまきこ

 

 

いわもとまきこ 善衛兵

https://www.instagram.com/iwamotosan3/

 

 

ごちそう 

 

「季節をたのしむ」

 

母の叔母は仙台で旅館を営んでおりました。

小さくても品のある よい宿だったと

祖母から聞いた幼い頃 

なんだか興味が湧いて 

その顔もしらない女性を想像していました。

その人は

季節の行事、お節句が来ると

親戚や近所の女の子達を呼び

ごちそうを作り振る舞ったのだそう

いつもと違う

綺麗で大人びた室礼

女心を擽る食卓

母もその愉しい日々を覚えていて

女の子が産まれたら

自分も同じようにしたいと思っていたと

何度も何度も聞きました。

 

季節の果物や旬のものを食卓に置いておく

花を活ける

 

それはその人が残してくれたもので

わたしの母も

貧しい時も

季節のものを食べさせてくれました。

 

母は料理が得意で…ない。

でも、お菓子づくりは上手なの。

不思議ですね。

何故でしょうね。

 

冬になると届く林檎はアップルパイに。

オレンジの器に流す果汁ゼリー

秋には南瓜やお芋にアーモンドが

たっぷり入ったパウンドケーキ

バナナケーキは熱々を

 

おいしかったな…

特別な時のオヤツ

 

わたしには息子しかいないので

残せない。

けれど 顔をしらないその人に

いつも感謝している。

 

季節をたのしむ喜びを

残してくれたから

 

息子もお菓子をつくると

わぁ!とは云わないけど

まんざらでもなさそうに 

いつもペロリと平らげる

きっとうれしいのだと…思っている。

 

母の作った 手づくりオヤツ

また食べたいな

今、食べたら普通だったらどうしよう。

それは…なんか…嫌だな。

 

 

今のわたしより若かりし頃の

母の日記

この中にわたしのごちそうと

ごちそうをたのしむ私が書いてある

 

____

 

 

公式ウェブサイト http://www.kurakoto.com/

インスタグラム https://www.instagram.com/kurashinokotoichi/

 

 開催日:2017年11月25日(土)26日(日)

 場所:木藝舎Sato http://www.mokugeisya.com/cafeeventspace/

 

 







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