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休日の朝食 : 松本美弥子 (11月6日更新)

「休日の朝食」 松本美弥子


小学生の頃、日曜日の朝に少し寝坊をして起きるとテーブルの上に

大きな皿に山盛りのサンドイッチがラップに包まれ置いてあることがあった。


母は家で縫製の仕事をしていて日曜日はお休みだけど急ぎの仕事が入るとサンドイッチの出番。


それは「仕事場にいます。起きたら食べてね」というメッセージだった。


わたしたち(姉、わたし、弟)は耳のないサンドイッチ用のパンにマヨネーズで和えたたまご、

きゅうりやトマト、ハム、レタスにツナなんかが挟んである素朴なサンドイッチに

甘いコーヒー牛乳の朝ごはんが大好きだった。


いま思えば朝早くから夕方まで母はいつもミシンの前に座っていた。


自分も家で仕事をするようになったけれどあの頃の母のような集中力で

仕事ができているだろうか。


いまの暮らしの中に休日という感覚があまりないせいで無理やり引っぱりだした昔の思い出は、

思わぬところでいまの自分に甘くないお題を突きつける。


そんな母はいまは畑に夢中である。

元気な人がつくる野菜はとても滋養に溢れている。

いきいきと種の蒔きどきなどを話し、日々惜しみなく手を動かしている。

つくる喜びをいつも一番近くで見せてくれる存在、

なかなかの強敵である。





*次回「休日の朝食」更新は11月13日となります・ぜひご覧ください*



【くらしのこと市とは?】

2014年11月23日に開催の暮らしに寄りそううつわを中心とした市。

日々の食卓を彩るうつわのつくり手が集い、使い手と繋がることで、

今よりも少しだけ良い毎日が交差する。

うつわのつくり手を中心に、暮らしを彩る道具、素材にこだわった食品を

提供するお店も参加を致します。


※くらしのこと市へのお問い合わせは下記メールまでお気軽にどうぞ。







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