- くらことインタビュー:Co. & Kokorone 室根英之さん
- 2014.12.18 Thursday | スタッフ通信 | posted by くらしのこと市 |
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本ブログ記事は、11月23日、静岡市足久保の山中、木藝舎Satoにて
開催された「くらしのこと市」出展者にむけてのインタビューとなります。
インタビュアーはスタッフ米澤。
ご覧下さい!! 名倉
くらことインタビュー:Co. & Kokorone 室根英之
米:初出展のくらしのこと市の印象はいかがですか?
はじめは、日も影ってたしどうなるんだろうと…。テント出そうか迷ったけど、晴れれば大丈夫だと聞いていたので。晴れたらお客さんもたくさん来てくれて。緑豊かなところでいいなと思いました。
米:「r o o m s」はご覧になっていかがでしたか?
靴が素敵にディスプレイしていただいて。普段、自分がディスプレイするのとまた全然違う環境で違ったディスプレイをされていたのでそこがすごく新鮮なかんじがして、ああなるほどと思うことはありました。あと見ていたら、意外に靴を手に取るお客さんがいるんだなと。
米:今回くらしのこと市に出展を決めた理由は?
第1回目のくらことの告知を見ていて、うつわの色が強いイベントなんだなと感じていて、でも「暮らしのこと」をテーマにしているものだったから、興味がありました。うつわのイベントという印象があったので靴は出られないだろうなと思っていたんですけど、A&C静岡と雰囲気が違うだろうしお客さんとして行ってみようかな…と。気になっていました。
米:そうだったんですね。A&C静岡にも出展されたことがありますが、ディスプレイなどでくらしのこと市との違いを出そうとしたところはありますか?
ここのところ、A&C静岡に1年くらい出ていないし、他のイベント自体にも…。最近靴づくり教室をやっているのでクラフトイベント自体出ていなかったのですごく久しぶり。くらしのこと市がどちらかというと、お金のやりとりをスタッフさんがやってくれるじゃないですか。作家さんとお客さんがコミュニケーションをとるほうに重きをおいているイベントの印象があったので、うちもテーブルを置いて座って話が出来るようにとブース作りを考えました。
米:先ほど、お客さんが椅子に座って話しているのが印象的でした。
荷物を置いてもらうカゴを用意して、座ってもらって。椅子は高いほうが座りやすい人もいるし、試着するときに低いほうがやりやすい人もいるから何種類か用意して。
米:その発想は、今回のくらことに合わせて考えてくださったこともありますけど、これまでのご自身のアトリエショップでの販売などの経験からきたものなのでしょうか?
それはあると思います。うちのアトリエショップで、自分たちが接客しやすいのもそうですけどお客さんが試着しやすかったり見やすい環境にしようと思ったし、気づかされることが多かった。その一部を今日持ってきたかなという感じはしますかね。
米:くらしのこと市にあったほうがいいものはありますか?
はじめはお客さんがわっときたけど、お昼過ぎてから寂しくなったので時間的な仕掛けがあればいかなと。「14時からこういうのがありますよ」とか、そういうものがあったらまた違うのかな。
米:くらしのこと市のサイト内の出展者紹介の写真で、5枚中3枚が靴を制作している写真でしたよね。あと、紹介文が「靴は、工場で作られているものもあるけど、身近で作っている靴もある」という文でしたよね。
そういうのを伝えたいというのはありますね。やっぱりみなさん「靴って作れるの?」と言われたり、アトリエショップでも「ここで靴ができるの?」ということを言われるので、出来ますよという話をする。靴って工場で作られているか、ものすごく職人的な技が必要で、素人なんてわかりませんみたいな感じだけど、そうじゃなくて自分で履く靴の履き心地をわかるのはその本人のはず。でも、実際靴を買うときには、工場であったり職人さんが言うことをそのまま聞いてこの靴が本当に良いんですねと聞いて買うことがあったりして。そうじゃなくて、自分の靴の履き心地に関しては自分自身が一番のエキスパートであるべきなのに、そこを他人に任せるのではなくて、もっと身近に…。身近っていうのかな?なんていうんだろう。
米:自分で考えるというか…。自分の足のことを他人に委ねている感じがしますよね。
そう。誰かにお願いして靴は作るんだけど、任せっぱなしにするのではなくて。自分の足ってそもそもどんな形しているんだっけとか、意外と幅が広かったんだなとか、そういう気づきを持って靴選びをしてほしい。そういう靴選びをするときに、身近にちょっと話やすい人が靴を作っているという環境があるとよりいいのかなと思って。その選択肢に自分がなれればいいなと。
米:そんな気持ちがあって、ブースにも椅子があり、お話するということですよね。
専門的な人が専門的な知識で提案してもらって、そういうものを買うときももちろんあるけど、自分が使うものであったり、食べるものであったりというと自分が納得してからというものがあるから、そういう納得できる材料をたくさん提供してくれている人のところから買いたいと思う。
米:情報をもらって自分で判断するんですよね。こっちにするか、あっちにするか。
今回、カフェでは作家さんのうつわを使って食べられるじゃないですか。そしたら、カフェにうちのルームシューズを10足くらい置いておいて(笑)
米:おおおお!いいですね。でも、10足じゃ足りないです(笑)
興味があれば、履いてもらってカフェスペースで履いてもらったりして、お茶してもらったりして実際暮らしのなかでどう使うのかなって。そもそもルームシューズなんて、家では履かないと思っていた人が「意外とあると便利かも」と思ったりするかもしれない。うちのブースだと、やっぱり接客して履いてもらってと1対1のコミュニケーションがないと試着に至らないことが多いから。こちらが出しゃばるんじゃなくて、ルームシューズが履けるという環境を作っておいて、後はご自由にという場所があったら面白いかなと。A&C静岡は、作家さんが主体で、作家さんが空間を作って見せるイベントだとしたら、くらしのこと市はもっと使う人側に寄っているイベントだと思うので、使う人が自由に気兼ねなく選べる環境があったら。靴を売らなければならないけど、くらしのこと市のようなイベントでは靴を売るというよりはいろんな可能性を提供してみて使う人が自由に自分で考えたり選んだりできる機会を提供するっていう感じのほうがいいかなと思いました。
米:ありがとうございました!
○編集後記
Co. & Kokoroneの室根さんのカフェで出展者のうつわで食事を提供するように、こちらから言わずともルームシューズを履ける環境を作るというアイディアはとても面白いと思いました。さまざまな作品を手に取れる仕掛けをつくることは、今後のくらしのこと市のヒントになりそうです。Co. & Kokoroneさんのブースは、くらしのこと市のコンセプトを踏まえてつくられていて、クラフトイベントではあまり見かけないような、じっくりとお話しができる作りとなっていました。自分たちの靴が、選択肢のひとつになればと繰り返しお話して下さったことや、椅子などを用意されていた室根さんの姿勢は、単純に謙虚なのではなく、健康を守る靴職人として、使い手に対しての精一杯の誠意なのだと感じました。
室根さん、インタビューのご協力ありがとうございました!
米澤あす香
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静岡市内山中の足久保にある木藝舎Satoにて開催の暮らしに寄りそううつわを中心とした市。日々の食卓を彩るうつわのつくり手が集い、
使い手と繋がることで、今よりも少しだけ良い毎日が交差する。
うつわのつくり手を中心に、暮らしを彩る道具、
素材にこだわった食品を提供するお店も参加を致します。
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