RSS1.0 | Atom0.3



【閉幕。】くらしのこと市 / まとめ記事

 

2016年のくらしのこと市は無事閉幕致しました。

ご参加ご来場、誠にありがとうございました!!

 

くらしのこと市 公式HP http://www.kurakoto.com

Instagram 

 

2016年11月26日(土)27日(日)に開催される

「くらしのこと市」のまとめ記事をご案内しております。

 

陶磁・木工・金工・ガラス・テキスタイルなどを中心に、

素材のこだわった飲食店も出展。

 

今回は30組の出展者となりました。

 

 

kurakoto20161001-10.jpgkurakoto20161001-11.jpg

kurakoto20161001-2.jpgkurakoto20161001-3.jpg

kurakoto20161001-4.jpgkurakoto20161001-5.jpg

kurakoto20161001-7.jpgkurakoto20161001-6.jpg

kurakoto20161001-8.jpgkurakoto20161001-9.jpg

 

【参加作家紹介】

 

「陶磁」

関太一郎 近藤康弘 古谷浩一 北條潤 小黒ちはる

小川麻美 松本美弥子 石原ゆきえ 前田美絵 辻紀子 

 

「木工」

iwakagu record 中里洋平

 

「金工」

yuta 田中友紀

 

「ガラス」

三浦侑子

 

「テキスタイル・染め」

nocogou 佐渡勝行

 

「植物」

ラフイユ

 

「教室」

いわもとまきこ+善兵衛

 

「フード」

chagama Chipakoya(11/27のみ) horieco+(11/26のみ)

IFNi ROASTING & CO. skywalker bakery&cafe yatai che

焼き菓子&マーマレード 杜屋 焼き菓子 ひより工房

人々(11/26のみ) 夜明け前  

 

 

【くらしのことカフェ】

2016年は”おにぎり”をテーマにメニューづくりをしています

 

 

【くらしの教室】

注連縄かざりのリースづくり ※ご予約受付中

 

 

【くらしのBOOKS】

スタッフが持ち寄る暮らしによりそう本が集まります。

 

 

【くらしのギャラリー r o o m s】(くらしのBOOKS内併設)

「つくり手の背景を知る。」

 

 

【くらしことカフェにてオヤツをいただきませんか?】

両日ともにカフェ店内にて14時より。数に限りが御座います。

 

【ほっとひといき、あったかオヤツ】

両日ともに14時販売スタート!数に限りがございます。

 

 

*作家さんによる「おにぎり」についての連載記事* clicks!!

 

 

*くらしのこと市・会場マップ*

画像をクリックすると大きなマップをご覧頂けます

 

 

・・・・


ARTS&CRAFT静岡手創り市
Mail shizuoka@tezukuriichi.com
HP http://www.shizuoka-tezukuriichi.com
twitter
Facebook
Instagram
 

 





rooms : 作家の背景を知ること

 

くらしのこと市・くらしのBOOKS内に併設される「 r o o m s 」

今年は参加作家の声を見て読むことができる空間づくりを実施致します。

 

小川麻美さんのアトリエ訪問を中心に、参加作家の背景をご覧頂ければ幸いです。

 

 

・・・・

ブースNo.10出展

 

yuta 須原健夫(金工)

 

 

「工房と住まいは別とのことですが、往来でどんなことを考えていますか?」

 

毎朝、工房に向かって車を走らせていると、

街が開け、美しい山並みが現れる場所があります。

そんな景色を眺めながら走っていると、

仕事を忘れて山へ遊びに行ってしまいたくなり

誘惑と戦うのが大変です。

運転がおろそかにならないよう、

仕事のことはできるだけ考えないようにしています。

 

「工房で制作時に考えることのベスト3を教えてください。」

 

第3位 流れているラジオの内容について

第2位 とりとめのない空想

第1位 今している作業について

 

気がついたら目の前の作品が完成していた

というような極限の集中状態に憧れますが、

ああでもないこうでもないと思考しながら、

一歩一歩踏みしめて行くのが現実であり自分らしさのようです。

 

 

・・・・

ブースNo.06出展

 

中里洋平(木工・漆)

 

 

「制作と生活の場は同じ場所ですか?

 双方の往来でご自身で切り替えるポイントなど教えてください。」

 

自宅兼工房で制作しています。

仕事と制作の切り替えのポイントですが、

朝食、昼食、夕食をできるだけ決まった時間にきっちり取ることでしょうか。

移動時間が省ける分、ダレてしまいがちなので、

メリハリを付けて休憩するよう心がけています。

 

 

「普段から自作品を食卓で使うことも多いと思うのですが、

 その際に、どのような点に注視していますか?」

 

漆器は軽くて持ち出しやすいので、

我が家では食卓に登場する出番が多いです。

使い終わったら、スポンジと洗剤で洗って、

軽く拭き上げるくらいの、普通の食器と同じような手入れです。

スプーンなどは、ザラザラした釉薬の陶器と合わせると、

傷になりやすいので、相性には注意して使っています。

 

 

・・・・

ブースNo.13出展

 

ラフイユ(植物)

 

 

「制作と生活の場はどのように切り替えていますか?」

 

特に切り替えてはいなく、もはや生活の一部ですが、

しいて挙げれば、気の張らない友達と他愛もない話をしながら、

ご飯やお酒を呑んでいる時は、切り替わっているかもしれません。

 

「植物を扱う仕事をしていてやってて良かったなあと思う瞬間ってなんですか?」

 

入荷してくる植物で季節を感じた時でしょうか。

あと、植物を装飾させて頂いた先で

装飾を観てくださる新たな方との出会いが繋がった瞬間です。

 

 

・・・・

ブースNo.26出展

 

焼き菓子とマーマレード

杜 屋(ジャム、焼き菓子)

 

 

「畑仕事の際にどんなことを考えたり、注視していますか? 」

 

畑作業の最中は無心になるので、

頭で何かを考えていることはあまりありません。

土や植物に触れていると、自然と手が動き頭がからっぽになってきます。

 

「畑仕事の際にどんなことを考えたり、注視していますか? 」

 

畑作業の最中は無心になるので、

頭で何かを考えていることはあまりありません。

土や植物に触れていると、自然と手が動き頭がからっぽになってきます。

 

 

・・・・

ブースNo.12出展

 

田中友紀(金工)

 

「制作と生活の場は同じ場所にあるとのことですが、

 どのように切り替えているか教えて頂けますでしょうか?」

 

実家で暮らしつつ、作業もしています。

小さい頃から使用してきた、まさに育ってきた部屋を主な作業場としています。

お皿など面積が大きいもの、金槌を使用する頻度が多いものは、

玄関先へ移動し木の丸太でひたすらカンカン叩きます。

 

家にいる=仕事をする、という感覚が自然とあるので、

打ち合わせなどの用事で外出するときが休みのような感覚に近いです。

特別な切り替え方はあまり思い当たらないのですが、

敢えて言うなら...夜に作業をしたい時。

晩酌を楽しんだ後にコーヒーを淹れ、ヘッドフォンで音楽を頭にぶち込みます。

すると、少ししたら覚醒して、時間を忘れ制作に没頭してしまうのです。

 

「金工をやってて良かったなあと思う瞬間ってなんですか?」

 

イベント出展や展示を開いた際に、

お客様が作品を身につけて来てくださることがよくあります。

それはもう、私の制作したその瞬間のものとは随分と変わっていて、

育っていっている様が、まるで時間が目に見えるような感覚になり

なんとも言えない喜びが溢れます。

私が知っているようで、知らない姿。

使い手により新たな姿へ進化していくのを、自然体で見られるということ。

作品は、お披露目する時点で完成はなく、

誰かの元へ渡り時を経ることで、やっと仕上がっていくものだと思います。

それをこの目で確認できるのは、本当にありがたく、とてもやりがいを感じる一瞬です。

 

 

 

日時:2016年11月26日27日 各日10:00〜

場所:くらしのBOOKS内(★印)にて

 

 

***2016年11月26日(土)27日(日)開催!!***

くらしのこと市公式インスタグラム clicks!!

 

「くらしのこと市のまとめ記事は【こちら】clicks!!をご覧ください」

 

 

ARTS&CRAFT静岡手創り市
Mail shizuoka@tezukuriichi.com
HP http://www.shizuoka-tezukuriichi.com
twitter
Facebook
Instagram
 

 





くらしのことカフェ 2016/11/26.27 11:00~

 

くらしのことカフェでは、

出展作家さんに器をお借りしてお食事を提供します。

 

今年のメニューは「お に ぎ り」です。

 

とても身近なものだからこそ、

作家さんの器で食べることで

いつもと少し違う食事の時間になることを

感じて頂けるのではないかと思います。

 

今年は自分たちで『梅干し』『味噌』『胡麻づくり』にも臨みました。

 

素材と向き合う時間を経て、

一皿を仕上げることへの意識が今まで以上に高まりました。

 

背景のある食卓を、

みなさまに楽しんで頂けますように。

 

 

 

 

器のつくり手が、想いを込めてうつわをつくり、

 

私たちはその想いをのせて一皿を仕上げます。

 

どうぞ召し上がれ。

 

 

【くらしのことカフェ】

 

11月26日(土)・27日(日)

11:00〜売り切れ次第終了

※各日50食

 

 

●メニュー

 

3種のおにぎりとおかず   

 

・昆布でじっくりと炊いた角煮

・檸檬香るなます

・煮卵

・梅干し

・手づくり味噌のきのこのお味噌汁

 

1200円

 

 

●器の協力作家

 

小川麻美 松本美弥子 小黒ちはる 近藤康弘 前田美絵

石原ゆきえ 辻紀子 北條潤 古谷浩一 関太一郎

iwakagu record 中里洋平 

 

 

●場所

くらしのことカフェ内にて

 

・・・・

 

**2016年くらしのこと市の開催まとめ記事**clicks!!

 


ARTS&CRAFT静岡手創り市
Mail shizuoka@tezukuriichi.com
HP http://www.shizuoka-tezukuriichi.com
twitter
Facebook
Instagram
 

 





ほっとひといき、できたてオヤツ。(2016年版)

 

 

11月26日17日開催の「くらしのこと市」では

2店舗の出展者による『できたてオヤツ」を提供致します。

 

両日ともに14時より販売を開始!

 

数に限りがありますのでお買い求めの際にはご注意下さいね。

 

 

・・・・・

 

No.25出展

 

焼き菓子ひより工房

http://www.kurakoto.com/c10.html

 

MENU  

フレンチトースト

 

COMMENT

自家製パンに液卵をたっぷりと染み込ませ、バターでこんがり焼き上げます。

お好みでメープルシロップをかけてアツアツのうちにお召し上がり下さい‼

 

 

・・・・・

 

No.26出展

 

焼き菓子&マーマレード 杜 屋

http://www.kurakoto.com/c12.html

 

MENU

小布施栗のお汁粉(クルトン付き)

 

COMMENT

栗の特産地として名高い長野県小布施町産の生栗をくりぬいて丁寧に裏ごし、

砂糖を加えて栗ペーストにしました。

それを当日鍋であたためて自家製天然酵母クルトンをトッピングしてお出しします。

ちょっと贅沢な栗100%のお汁粉です。

 

 

・・・・・

 

*くらしのこと市・会場マップ*

画像をクリックすると大きなマップをご覧頂けます

 

 

 

くらしのこと市 公式HP http://www.kurakoto.com

Instagram

 


ARTS&CRAFT静岡手創り市
Mail shizuoka@tezukuriichi.com
HP http://www.shizuoka-tezukuriichi.com
twitter
Facebook
Instagram
 

 





くらしのことカフェ:おやつの紹介

 

くらしのこと市 公式HP http://www.kurakoto.com

Instagram 

 

 

くらしのことカフェでは

11月26日27日の両日ともに14時よりおやつセットの提供を行います。

 

※すべてのメニューはおやつとドリンクをあわせたセットでの提供となります。

 おやつのみの提供は行っておりません。

 

※数に限りがありますので予めご了承ください。

 

 

【 11月26日 14:00〜 】

 

 

Chipakoya

 

『焼きプリン』

 幼い頃母が作ってくれた素朴なプリンをイメージした、

 シンプルな焼プリンです。

 地元育ちの卵・牛乳・きび砂糖など身近にある新鮮な素材を使用し、

 低温でじっくり蒸し焼きにしました。

 ちょっぴり苦めの焦がしカラメルがアクセント。

 

 

 

【 11月27日 14:00〜 】

 

 

人 々

 

『ラズベリーショコラのタルト』

 濃厚なチョコレートにラズベリーの酸味をあわせた寒い季節のタルトです。

 あたたかいお飲み物とどうぞ。

 

 

 

horieco+

 

『紅茶のテリーヌフロマージュ』

 ほんのりアールグレイの香りを纏わせて、

 しっとりと、なめらかに、まるでテリーヌのようなチーズのケイク。

 

 

 

※上記のメニューはカフェ内での提供のみとなりますのでご注意下さい。

お持ち帰りなどの対応は致しておりません。

 

※おやつセットのご予約受付は12時より13時半まで。

 会計受付ブースにて行います。カフェ内での受付は致しません

 

※11月27日(日)は

 人々さんの「ラズベリーショコラのタルト」か

 horieco+さんの「紅茶のテリーヌフロマージュ」

 どちらかお一つお選び下さい。

 

 

くらしのことカフェ担当

山梨

 

 

*くらしのこと市・会場マップ*

画像をクリックすると大きなマップをご覧頂けます

 

・・・・


ARTS&CRAFT静岡手創り市
Mail shizuoka@tezukuriichi.com
HP http://www.shizuoka-tezukuriichi.com
twitter
Facebook
Instagram
 

 





アトリエ訪問:小川麻美さん

 

くらしのこと市 公式HP http://www.kurakoto.com

Instagram

 

 

器と料理は切っても切り離せない場所にいます。

器がなければ料理を盛りつけることはできないし、料理があることで器は本来の役目を果たします。私たちがくらしのこと市で行うカフェでは、出展作家さんの作品をお借りし、器に盛りつけを行い、食事を提供します。実際に使用してもらうことで、作家さんの器を、くらしの中でより具体的に感じてもらいたい。器を自分の気に入ったものにすることで、普段の食卓が少し変化することを体験してもらいたい。そんな想いがあります。

作家さんの作り出す器がどんな場所で、どのような想いで作られているのかを知ることで、使い手に、より器のことを伝えられるのではないか…というところから、今回のアトリエ訪問が決定しました。

 

 

お忙しい中、アトリエ訪問の打診を快く引き受けてくれた小川麻美さん

小川さんの器は、穏やかで女性らしく、盛るものを優しく受け止めてくれる、そんなイメージがあります。ただ、それはふんわりとやわらかなものではなく、もっと芯の通ったものを感じます。

小川さんのつくり出す器と、小川さん自身のことをもっと知るために、小川さんの住む神奈川県平塚市を訪ねました。

 

 

小川さんのアトリエは、長閑な住宅街の中の一角にありました。

小さな長屋を二棟使用し、一棟をアトリエに、もう一棟を住居として使用されています。駅まで迎えにきてくれた小川さんの青い車から降りると、屋根の上には大家さんが!(結局私たちが滞在した間中、大家さんはせっせと屋根の修繕をなさっていました。)初めて訪れた作家さんのアトリエ。もうそれだけで、ドキドキしていたのですが、アトリエに入ると気持ちの高まりが止まりません。小川さんの選んだモノに囲まれた、静かな白い空間。壁や床も人の手が加えられたことが分かる、温かい空間。奥には使い込まれた道具と、その向こうに轆轤が見えます。小川さんの性格の分かる、整然としているけれど自然な仕事場。しばしその空間に浸った後、お昼の準備が始まりました。

 

 

その日は、私たちも少しおかずを持ち寄り、ちょっとしたパーティーのような時間を過ごします。これは小川さんが提案して下さったこと。焼き物をやっているので、せっかくだから作品をつかった時間があった方がいいのではないかと。台所はアトリエとは別棟の住居の一角。台所も、小川さんの色で溢れています。くらしを楽しんでいる空気で満たされた空間。人懐っこいネコのじんくんが、小川さんの足下で甘える姿がその空気をより穏やかにしていました。

 

 

アトリエの棟の方にあるテーブルで食卓を囲みます。

食器は全て小川さんのつくられたもの。そこに盛られた食材は、器の力で、そのモノであることがより際立てられ、活き活きとして見えます。炊き込みごはん・野菜のオーブン焼き・茹で落花生・カブと柿のサラダ…。季節を感じる色とりどりの料理。テーブルの上で一際目をひく土鍋。その日は味噌汁の鍋として使われていたものですが、持ち手のない、おひつのような形をしています。

この土鍋、小川さんがこれからつくっていきたいモノの象徴のような作品だったのです。

 

「便利なものは世の中に溢れているから、

 そこではなく、一癖あっても使いたいって思えるものをつくりたい。

 定番で、使い易い器ももちろんやっていくけれど、

 使い易さでいったらどうなのかなというものでも、

 面白いと思ってくれる人に発信できるものもやっていきたいなと思っています。」

 

やきものという、もの作りを仕事としてやっている以上、もちろん売れなければという思いはあると思います。でも、そういう面白さを出していく小川さんの姿勢。ただ楽しく仕事をしているというよりは、本当に真摯に自分の仕事と、作品と向き合っているからこそ出てくる言葉だなと思います。

 

 

 

ごはんを楽しく食べたあと、小川さんが「最近見つけたおいしいコーヒー屋さんの豆があるんです」と淹れてくれたコーヒーを飲みながら(コーヒーカップもドリッパーも、もちろん小川さんの作品でした。)少し改まった雰囲気の中、小川さんに色々な話を伺いました。

その中で感じた一番大きなこと。

それは小川さんの大事にしていることが「くらす」ということなんだなということ。住まいとアトリエがドア一枚で繋がっているという環境で、プライベートと仕事の区切りがなかなかつきづらいくらし。でもそこは、例えば料理の仕込みをしながら、仕事ができるところがいいらしいのです。

くらすことの中に仕事が自然にとけ込んでいる。そんな風に感じます。

 

「やきものを仕事として志そうとした際に、

 お世話になっていた陶芸教室は自宅と離れていたんです。

 お昼にお弁当は持って行ったりしていたけれど、

 食器をつくっているのにきちんと料理をして、

 自分がつくった器に盛ってみる。

 その時間を楽しむということができていなくて…

 それがとても歯がゆくて…

 そういう時間をちゃんと持ちたいというのがあって、

 くらしに密接した仕事の場を早く持たねば、

 という流れで独立となりました。」

 

(小川さんのインスタグラムを転載)

 

以前から小川さんのブログなどを見させてもらっていて、そこにある写真は自身の作品に盛られた料理の写真が多く、こういう使い方ができますよ、といった提案も多いなと思っていました。小川さん自身が、料理をすること、器に盛りつけることの楽しさを知っていることが分かります。それはもともと、小川さんが使い手から始まったことに起因していたのです。

 

「それまで実家から持ってきた器を何となく使っていたのが、

 やきものに興味を持つようになって、

 ”つくり手が見える器”というものを初めて自分で選んで使ってみたら、

 今までと何かが違うな…というか。

 言葉にうまくできないんですけど、

 ごはんの時間とかお茶の時間とかがいつもと違うような気がするというか。

 お気に入りの器と過ごす時間が自分にとって心満たされるものになって、

 器ってすごいなって思ったのをよく覚えています。」

 

初めから作り手だったのではなく、使い手から始まった小川さんだからこそ、使い手側に伝えたいものが大きいのだろうなと思います。

 

「洋服など身につけるものにお金を使う人は多いけれど、

 楽しみながら食事をするということは何事にもかえ難いことだから、

 もっとそういう人が増えたらいいのに」

 

…という小川さんの思い。

これは私たちがくらしのこと市で伝えていきたいのと同じ気持ち。同じ気持ちでいられることがすごく嬉しく、心強く思います。

 

 

くらしていく中で大切になってくるのが人との繋がり。小川さんのくらしの中にも、そして小川さんの今に繋がるきっかけにも人との繋がりが深く関わってきます。

 

 

まず小川さんがやきものの基礎を学んだ陶芸教室の先生。

小川さんのアトリエから歩いて10分程の距離に先生の窯場があります。現在も小川さんはそちらの窯を使用しており、私たちもこの日実際に窯場も見させて頂き、先生にもお会いしました。小川さんが「すごくプラス思考の先生で」とおっしゃるのが分かる、前を向いた先生だなという印象で、小川さんが信頼を寄せている雰囲気も、先生が小川さんをとても大切にしているんだなというのも分かる距離感がとても良いなと思いました。(因みになんと先生はご自身でガス窯を溶接して制作したという器用な方。見させて頂いた窯場には3台の窯があり、そのうち2台が先生のお手製のもの。既製品よりも安定しているそう。)

 

(魯山さんでの二人展の様子。小川さんのインスタグラムより転載。)

 

もう一人。

東京西荻窪にある魯山というお店の店主である大嶌(おおしま)さんとの出会い。これも小川さんにはとても大きなことで、大嶌さんの言葉は今の小川さんの作るものに深く関わってきています。

 

「自分で販売を始めてみて、

 どういう風につくったものが売れていくかが何となく見えてきた頃、

 どこかにひっかかる部分があって。

 やきもので自分が惹かれるものと、

 自分が実際作っているものとにズレがあるのではないか。

 自分が本来つくりたいと思っていた器って?と。

 そんな時、大嶌さんに自分のつくるものを初めて見てもらい、

 すごく客観的な意見を頂いたんです。

 『サイズ感とか料理を想像してつくっている器として基礎はできているから、

 それプラス、自分の色がでるものをもっとやっていったらいい』と。

 『もうちょっと粗い土で、整えずに自由に轆轤やってみたら?』と。

 で、最近ちょっと粗っぽいものをやるようになったんです。」

 

大嶌さんとの話しから、つくりたいもの、やっていきたいものが少しずつ変わってきたのが分かります。

 

「最初の方は、品物としてモノを出しているから、

 すごく細かいことにも神経質になっていて、

 きっちりしていないとモノとして出せないと思っていて。

 でも、大嶌さんが『やきものってそうじゃないでしょ。

 窯の中で最終的に変化するものだから、

 それを否定するって全然面白くないじゃん。

 製品を作っているんじゃないんだから、それも受け入れて…』って。

 自分自身も他の人の作品を見る時に窯傷とかがあるかないかは全然気にしていないし、

 そのものが発する全体の魅力で選んでいるというか。

 だからもう少し…細かいことを気にするんじゃなくて、

 作っている本人がそういうことを受け入れて、

 やっていかなきゃっていうのを教えてもらって。

 で、すごく気持ちが楽になったというか。

 欠陥的な部分を気にし始めたら、

 なんかもう何にも出せないんじゃないかと思ってたりもしたけれど、

 そこは越えられたというか。

 やきものってやっぱりそういうモノだなって。

 土や釉薬の材料もそうですけど、

 火の力、自然の力を借りて、

 なし得ているものだから委ねる部分も必要だな…

 と思えるようになったのはありますね。」

 

大嶌さんの声を聞き、小川さんの中でふっきれたものがあっての現在の作品。

私個人としても、初めて見た小川さんの作品と現在のものでは感じるものが違うなという部分があります。冒頭でも触れましたが、小川さんの作品はとても女性らしい。初めて見た時はそういった部分を強く感じたのですが、今は、そこに強い芯を感じます。

くらすことを楽しむ中で、自然なことに委ねる心の強さを身につけた、小川さんの力の表れなんだなと思います。

 

「やっぱり性格が作品にでますよね、私、雑なんで…」と小川さんはおっしゃっていましたが、いやいや全く雑なんて感じたことはないですよ、と私は思います。むしろ真面目で丁寧な印象。ただ、この日話をしていく中で、小川さんはすごく自然体なんだなと思いました。受け入れることに関してすごく自然体。だからこそ良い人と出会い、今日に繋がっている。そんな風に感じました。

 

 

 

季節はこれから冬に向かいます。くらしのこと市も秋の終わり、冬の始まり。

 

「冬の時期になると、テーブルがあったかくなるものって思うと、

 直接火にかけられるものとか、気持ち的に上がるじゃないですか。

 そういうのは続けていけたらと思いますね。

 耐熱皿も、お鍋とか、グラタン皿とかに限らず…

 一見見たらお皿だけど、火にもかけられちゃうとか。

 そういう感じで考えて作ったりとか。

 カップとかでも、冷めたらそのまま火にかけられたりしても面白いのかなとか。

 普通の片口っぽいけど、タレを温められたりとか。

 そういうのを考えると色々出てくるかなとか。」

 

こういうお話も実際に器を使っていく中で出てくる発想だと思います。

心から食卓を楽しんでいるなと、小川さんのお話しの節々で感じます。

 

「この季節のくらしのこと市というのはやきものにはすごく良い時期というか。

 くらしに沿ったというのをコンセプトにやってらっしゃるので、

 そういうので、くらしの中で使ってもらえるものですというのが

 発信できたらというのがあります。」

 

 

 

 

お話しを一通りうかがい、先生の窯場に案内してもらい、またアトリエに戻ってくると、日は沈み薄暗くなってきました。

最後にネコのじんくんにお別れを言い、また駅まで小川さんに送って頂きます。本当はもっと作ることに焦点を当ててお話を聞くべきだったのかもしれないと思いながら、ただ、小川さんと話していく中で、小川さんという人にどんどん惹かれている自分がいました。

 

 

 

 

「つくる時には無心で…ってよく言いますが、私は色々考えちゃいますよ」とさらっと言ってしまう、本当に自然体な小川さん。

自然体というのは強さがなければ生まれないものなんだなと思います。くらしの中にも、作品にも、自然さを持った小川さん。ひとまず、くらしのこと市でお会いできるのが楽しみで、またその後も引き続き変化や挑戦を続けていく作品を見ていくのが楽しみだなと思います。

 

作り手の作る場所を見させて頂いたことで、

また少し普段自分がうつわを使う時の意識が変わりました。

私の持っている小川さんのしのぎの入ったカップ。

あの場所で生まれたんだと思うと、今まで以上に愛おしく感じます。

私の日々のくらしの中で糧になる、大切にしたいもの。

 

小川さん、本当にありがとうございました。

 

くらしのことカフェ

担当スタッフ

川手幸子

 

・・・・

***2016年11月26日(土)27日(日)開催!!***

くらしのこと市公式インスタグラム clicks!!

 

「くらしのこと市のまとめ記事は【こちら】clicks!!をご覧ください」

 

 

ARTS&CRAFT静岡手創り市
Mail shizuoka@tezukuriichi.com
HP http://www.shizuoka-tezukuriichi.com
twitter
Facebook
Instagram
 

 





くらしのことカフェ。目下前進中。

 

先週末はくらしのこと市スタッフ内での会場シミュレーションを行いました。

 

シミュレーションでは主にカフェスタッフのつくるメニューの最終チェックから、

参加作家の皆さまよりお貸し出し頂いている器の撮影などを中心に実施。

 

 

今年のくらことカフェはこれまでよりもずっと完成度の高さがあるよに感じました。

 

また、今回のくらことカフェでは、染織作家の佐渡勝行さんの作品制作時に

うまれるハギレをお手拭きとしてご使用いただく予定です。

様々な色合いのお手拭きを愛で使いお楽しみ頂けたら幸いです。

 

佐渡勝行 http://www.kurakoto.com/c03.html

 

今後は2016年のカフェのストーリーをあらわした

メニューの制作など細かな点を進めて参ります。

 

 

※次回のブログ更新はカフェスタッフによるアトリエ訪問記事を公開。

 ぜひともご覧くださいね。

 

名倉

 

・・・・

***2016年11月26日(土)27日(日)開催!!***

くらしのこと市公式インスタグラム clicks!!

 

「くらしのこと市のまとめ記事は【こちら】clicks!!をご覧ください」

 

 

ARTS&CRAFT静岡手創り市
Mail shizuoka@tezukuriichi.com
HP http://www.shizuoka-tezukuriichi.com
twitter
Facebook
Instagram
 

 

 





くらしの B O O K S (2016年11月26.27日)

 

2016年の「く ら し の B  O O K S」では、

 

くらことスタッフが持ち寄った

暮らしを彩り寄り添う本が並びます。

 

スタッフが持ち寄った本は

お手製の栞がつけられ

すべてコメントつき。

 

栞のコメントもご覧頂きながら

手にとっていただけたら幸いです。

 

【日時】

2016年11月26日(土)27日(日) 10:00〜16:00

 

【場所】

くらしのこと市会場「★」印の小屋

 

【ご購入方法】

<会計ブース>までお持ち下さい。

 

 

・・・・

 

***2016年11月26日(土)27日(日)開催!!***

くらしのこと市公式インスタグラム clicks!!

 

「くらしのこと市のまとめ記事は【こちら】clicks!!をご覧ください」

 

 

ARTS&CRAFT静岡手創り市
Mail shizuoka@tezukuriichi.com
HP http://www.shizuoka-tezukuriichi.com
twitter
Facebook
Instagram
 

 








Profile
New Entries
Archives
Category